まさにお悩み真っ最中のお客さまも多いかと思いますが、フロアコーティングには実に多くの種類がありますね。
コーティングの種類によって、それぞれ違った特徴や性能、メリット、デメリットがあります。
言い換えればそれによって各業者が差別化を図っているということですね。
お客様側では、一体我が家は何を優先してフロアコーティングを検討しているのか?しっかりとご夫婦、ご家族で話し合ってから導入されることをおススメします。
さて、皆さんが、フロアコーティングの性能の紹介文を読んでいると、幾つかの専門用語や記号のようなものがあって、困惑されるでしょう。
そんな文章の中に「5H」や「6H」といった表記をみたことはないでしょうか?
最近では、スマートフォンの液晶画面をガードするシートにも7H、8Hなどと記載されていることから、何を表すのかお察しになる方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、この「H」が何を説明するために使われるのかについてご説明します。
実はこの「H」というのは、鉛筆硬度の単位なのです。
普段使っている鉛筆に、「2B」「HB」や「H」などの表記があるのは小さい頃から慣れ親しんで、よくご存知かと思います。
どういうことかというと、フロアコーティングの塗膜の強さを測定するために鉛筆を使うのです。
JIS(日本工業標準調査会)規定の引っかき硬度(鉛筆法)試験の方法は、鉛筆を軟らかいものから順に塗膜に押し付けるという検査を行っています。
そして、床に傷跡が生じるまで鉛筆の硬度を上げていくのです。
押し付ける強さは一定のため、使用する鉛筆の硬さによって傷のつきやすさが変わります。
例えば、市販のワックスはどうでしょうか。
みなさんの中には床の保護というと手っ取り早く自分でワックスをとお考えの方もいらっしゃるでしょう。ですが、ワックスの塗膜は非常に軟らかく、「B」以下の硬度しかありません。
鉛筆のBの筆致を想像していただくと、その柔らかさは少し不安になりませんか?
一方、フロアコーティングの硬度はおおよそ、「2H」以上で、大きいものでは、「5H」「6H」と表記しているものが多いようです。
ガラスコーティングの場合、業者によって9Hと謳っている業者もありますね。
自社調べのデータを公開している場合もあるので、どういった公式機関による実験結果なのかしっかりと確認して下さいね。
そして、硬度については何H以上あれば保護力が高くて安心・・・・・・というような単純なものではないようです。
つまり、液剤の硬さだけで保護力をあげるわけではなく、液剤にはバインダーと呼ばれる専用稀釈剤を混ぜて伸縮性を保つのですが、この稀釈剤の品質や、施工スタッフの技術や経験など、すべての要素が融合して初めて、高い保護力が維持できるのです。
また、下地の問題もあります。
いくらコーティング剤の硬度が高くても、コーティング剤を塗布するフローリングの木材の樹種による硬さの影響を大きく受けます。
フローリングの木材の材質や状態とコーティング剤の相性なども非常に大きく影響するんですよ。
柔らかいフローリングの上に硬い液剤を塗っても密着度は低く、割れやすいなどという傾向もありますから、注意が必要です。
女性の方には、マニキュアで説明すると分かりやすいかもしれません。
爪は固いので密着してはがれにくいでそうが、もし下地が柔らかく凹みやすいのに、そこに硬度が高すぎるマニキュアを施したら剥がれ易くなるでしょう。
硬いコーティングを柔らかい下地に施工した場合、フローリングの経年変化によって、いずれコーティングが割れてしまうというケースもあるようです。9H、10Hとガラスコーティングの硬度だけを強調している業者さんには、ぜひ多角的な見方から説明してもらってくださいネ。
いかがでしたか?ことで簡単にまとめてみます。
・「H」というのは、鉛筆硬度にフロアコーティングの硬度を表しているのでしたね。
・「H」の表記は自社調べが横行しているので、外部の検証機関によるきちんとした実験結果に基づいているか確認する
・硬度が高ければ高いほどよいということではなく、下地となるフロ―リングとの相性も重要
・コーティングのバインダの品質や最適な稀釈率、施工スタッフの技術によって施工結果が大きくことなる
フロアコーティング、とくにガラスコーティングをご検討中の方は、ぜひ以上のことを踏まえて、業者を比較検討してくださいね。